樹木の諸データ
- 【 科名 】
- ブナ科シイ属の常緑広葉樹
- 【 和名・別名・学名 】
- 学名 Castanopsis sieboldii
- 【 撮影日時 】
- 2019年(令和元年)3月17日(日)/13時36分〜13時41分
- 【 撮影場所 】
- 鹿児島県西之表市住吉能野道沿い、ほか
- 【 その他 】
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生態状況
スダジイは、雑木林を形成している代表的な樹木です。山の神や祖霊そして勧請した神の依代として、また、大木や老木は御神体として、昔から大切に扱われています。
したがって、神社などで大木を見ることが多いのは、その理由によります。そして、玉串に使うサカキの代用として神事には欠かせません。よって、魔除け、悪魔祓いの効果があるのです。
特徴は、葉の裏が灰褐色になっていることです。そして、木の周りに、ヤッコソウが寄生することもあります。西之表市では、浦田湾の北側で、中種子町では、権現山の熊野神社境内付近で、南種子町では、大塚山の頂上付近で観察できます。
樹皮は、がさがさしており、滑らかさはなく、シダ類やつる性植物が寄生することが多くなります。また、幹が大きくなるにしたがい、中空になることも多いのです。
道路沿いで、少し雑木林に中に入ると、老木を見ることが出来ます。雑木林で多く自生していますが、木炭にはまったく適していません。そのため種子島では、チップ材として切り出されます。
老木の根元です。四方八方に根を張りだし伸びています。道端から少し雑木林に入ると老木が結構生えています。
春になると、いっせいに黄色の花を咲かせます。緑の中に黄色はすごく目立ち、遠くからでも確認できます。やがて秋には果実を付けますが、果実は炒って食べるとなかなか美味しいのです。【平成22年4月3日撮影】
真冬になると、面白い光景を見ることができます。同じ幹なのに葉が黄色く変色しているのです。左右同じ幹のものです。左は、黄色く色づいた葉、右は通常の葉です。葉の色が、両方あるなんて、さすが、神の依代の樹木です。【平成24年1月23日撮影】
枝の先端部の葉腋から穂状花序を出します。それが開いて花を咲かせます。写真は、花を咲かせる前の状況です。【平成24年3月4日撮影】
山間部の道沿いでは、数本が立ち並び空が見えなくなるほど覆いかぶっていることもあります。
8月の終わりごろになると、枝に殻をつけた多数の果実が熟してきます。写真では、まだ、割れ目がなく、中の果実は見えていません。【令和3年8月23日撮影】
枝先にたくさんの殻のついた果実をつけています。やがて、秋には殻に割れ目ができて、中のドングリが出て落下することもあります。なお、ドングリは生でも食べられます。【令和3年8月23日撮影】