蚕の宮じょうこのみやじょう

マテバシイの小枝でたたき悪魔や悪霊を追い払う

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〜神社の鳥居前で蚕の宮じょう
【撮影場所】
鹿児島県西之表市現和西俣
【撮影日時】
2022年1月14日(金)〜【動画】/2016年1月9日(土)/17時40分〜21時09分【写真】
【行事場所】
西之表市現和西俣地域
【行事時期】
毎年一月十四日に近い休日、午後六時より
【アクセス方法】
西之表市街地から県道75号線、広域農道を経由すること約10分で、西俣公民館に着きます。

【行事の説明】

西俣地域に正月行事として伝承されている「蚕(こ)の宮(みや)じょう」です。毎年一月十四日に近い休日に午後六時から行なわれます。蚕の宮じょうは、西俣子供会で行なわれています。

ところで、このみやじょうは、種子島の各地域で実施されている正月行事です。一月十四、十五日の小正月に行なわれ、蚕のまゆににせた四角に切られた切り餅をやなぎやコヤスギの小枝にさし、門木や家の中の柱に飾って蚕の豊作を祝います。

子供たちは、このみやじょうの歌を歌い、門ごとに祝ってこのみやじょうをもらいます。各家を訪れ門口から「このみやじょう」を合唱して、その家の幸福と繁栄を祈って祝います。そして、合唱が終わると、祝いもちを頂いて帰るのです。最近は、祝いもちの代わりにお菓子や、果物、寸志などを頂くことが多くなっていますが、西俣地域では、どこの家庭でも寸志を差し上げています。外の地域にない特徴です。なお、前年に不幸のあった家庭とか、門松がない家庭には回りません。

このみやじょうの歌は、先導役の「ハナ引き」はいません。全員で歌っていきます。西俣地域のこのみやじょうは、約四分かかります。歌も大変長いのが特徴です。このみやじょうの当日は、公民館に集まり二班(下方と上方)に分かれて巡回していきます。また、集めた祝もちなどは、子供の人数に応じて分配していきます。

さて、写真一枚目は、子供たち、そして保護者の方が伴っており元気な声で、公民館横の神社鳥居の前で歌っています。後半の「母嬢様から」の歌詞が出てくるところから、子供たちが門松に飾ってある「マテバシイ」の小枝を折り、マテバシイの小枝を持ち、神社拝殿に向かいます。それで払いたたき悪魔や悪霊を追い払っていきます。ここが外の地域の「このみやじょう」と大きく違うところです。残りの子供たちは、まだ歌っています。【平成20年1月12日撮影】

松明 今年からわらで作った松明を復活させています。松明をもって、各民家を回ります。
民家でこのみやじょうを歌う 家庭の門松付近で、このみやじょうを歌っているところです。ほとんどの子供たちは歌詞を覚えています。
民家を回る 松明をもって各民家を回ります。保護者、役員がついています。
玄関でマテバシイの小枝で悪魔を叩き祓う 玄関でマテバシイの小枝で、力いっぱい「ほー」という声を出しながら、たたき払っているところです。これが終わると、祝い餅などをいただいていきます。最後は公民館でのこのみやじょうです。もう午後九時が過ぎています。子供たちは元気に歌っていました。【平成20年1月12日撮影】
民家でのこのみやじょうを聞く 民家にくると、子供たちは門松付近で、このみやじょうの歌を歌います。家の中では、子どもたちの歌を聞いています。また、手を叩いていることもあります。
蚕の宮じょう〜公民館にて 公民館には、子供会の役員が座っています。子供たちのお払いを受けているところです。これが終わると、館内で子供たちはお食事を、保護者は子供たちへの仕分け作業や慰労会を行っていきます。【平成20年1月12日撮影】
全員で記念撮影 公民館でのこのみやじょうが終わると、記念撮影です。夜遅くまで頑張りました。この後、公民館でおいしい食事です。
 蚕の宮じょう   西俣子供会

祝うて 祝いもうす
これから申す 門から申す やーこれの
お家はようふく お家と見かけ申し候
定めし蚕の宮 祝うてござる
どうよう九九かいの 蚕の宮じょうよ
ますめしさきに あやもはえ 錦をひろめ
やーとくとうませて これよりゃ東の
朝日だのとうげの けんけん鳥の めん鳥の
右をおもえば左のかさきり おん鳥合わせて
一はねがいですくえば 千枚すくう
二はねがいですくえば 二千枚すくう
三千枚の子種子を 寄せ集めて
ありんごに起きるときゃ つぶらんごと申す
つぶらんごに起きるときゃ ふしんごと申す
ふしんごに起きるときゃ はじのよおめしゃれ
はるごまわ ゆめに見てさえ 物事き物と
申しまして ゆーわゆわ じょうのこまから
ダラーンラン やーじょうの九かいわ
雨桑もきらわん 露桑もきらわん
赤まゆ 白まゆ かがせたもうは 母嬢様から
ダラーンラン やーこのまゆの
まゆの固さは 天の川原で
石の固うござるよ
石よりゃ まだ固うござる

追記〜西俣子供会の皆様、今回お世話になりました。ご丁寧な対応に感謝しています。皆様の益々のご活躍を期待しています。

※ 2022年(令和4年)1月14日(金)、西之表市現西俣で行われた正月行事の「蚕の宮じょう」の後半の模様を紹介しています。この動画の中には、民家、西俣公民館での蚕の宮じょうの後半の模様、参加児童及び役員の感想などを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

西俣の蚕の宮じょう 玄関でマテバシイの小枝で叩いて悪魔祓い・令和4年後半〜種子島の伝統行事

 

※ 2022年(令和4年)1月14日(金)、西之表市現西俣で行われた正月行事の「蚕の宮じょう」の前半の模様を紹介しています。この動画の中には、神社、民家での蚕の宮じょうの前半の模様を収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

西俣の蚕の宮じょう 玄関でマテバシイの小枝で叩いて悪魔祓い・令和4年前半〜種子島の伝統行事

 

※ 2016年1月9日、西之表市現西俣で行われたこのみやじょうを撮影したものです。この動画の中には、神社、民家でのこのみやじょうなどを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の伝統行事:西俣のこのみやじょう門松の小枝で叩いて悪魔祓い前半

 
  

種子島の伝統行事:西俣のこのみやじょう門松の小枝で叩いて悪魔祓い何と踊りも後半

 
 
2016.1.12〜