浦田漁港〜西之表市街地

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 連休2日目は、晴天に恵まれ少し北西の風が吹いていますが、さほど寒くはありません。久しぶりに散策をすることにしました。今回は、西之表市国上浦田漁港から西之表市街地までの約12キロのコースです。

 浦田漁港の研修センター前に着くと、何かにぎやかな雑談する声が聞こえてきます。その研修センターの左にえびす神社があるので、その祭りのことで聞いてみようと漁師たち4人のところに行ってみることにしました。みんな明るい声で、楽しそうに話をしていまして、さっそく祭りのことを聞いてみると、7月15日にその祭が盛大にあるとのことでした。夕方6時ごろから始リ、「歌謡踊りなどを披露しているんだよ。」と話してくれました。また、3年くらいまで浦田の郷土芸能の「伊勢音頭」も踊っていたらしく、最近は踊っていないと話していました。その祭りの時には、魚などたくさんのご馳走も出るから、そのとき出てきなさいといわれ、皆さんから丁寧に話を聞くことができました。浦田での最近の漁は、カツオ、ヒラマサ、メジナ、キビナゴなどたくさん揚がっているといいます。

 漁港の正面に、小島みたいな感じの山があり、そこには昔、浦田神社があったといいます。それを現在の地に移しています。また、喜志鹿崎灯台の西方の川沿いに馬塔観音があるから、ぜひ、いってみたらと勧められました。何だかんだといいながら20分が過ぎてしまいました。そして、エビス神社に行き参拝を済ませて先へ行くことにしました。神社の左側には、原先生の記念碑もあり、このホームページでも紹介しています。1枚目の写真は、その研修センター前から北東側を写しています。漁港周辺は、景色もよく長閑な雰囲気があります。

浦田漁港  漁港入口近くに、浦田神社があり、その前に浦田川があり浦田橋が架かっています。せっかくなので浦田神社にも久しぶりに参拝することにしました。参拝した後、漁港入口まで戻り、そこから県道に出るのですが、細いなだらかな坂道がず〜っと続いていきます。両サイドに人家が立ち並らび右手は山になっており、急傾斜地になっています。したがって、この周辺は、急傾斜崩壊対策がなされています。左は川で、しばらく行くと、「濡れ嫁女と火の玉と幽霊」のふるさと歴史散歩の案内板が右側に立っています。「濡れ嫁女に逢って逃げなければ、子守をしてくれるといい、その子を泣かせば、また濡れ嫁女が現れるという」伝説があるといいます。

 道路沿いの雑木林には、スダジイの老木や道端にはムラサキカタバミ、ゲットウなどが生えています。特にムラサキカタバミは、四季に関係なくいつでもどこでも見ることができる草花です。川沿いには穂状植物もたくさん生い茂っていますが、ほとんど半枯れになっています。少し行くと坂が急になってきます。時折、ハナシ(メジロ)の元気な鳴き声が聞こえてきます。ヤブツバキ、ホルトノキ、そして遠くでは烏も鳴いています。この周辺にはよく見ると、松の小木もまばらに生えています。また川からはせせらぎの音も聞こえてきます。山沿いの土手には、よく見るとヒメハギもはや花を咲かせています。草花も雑木林も眺めながら進んでいくと、県道581号線の市内巡回バス停付近に出てきます。

 土手付近には、スミレ、そして冬イチゴがたくさんあるが、冬にも強いのか枯れずに葉もしっかり付けています。穂状植物も多数あり、カズラ類は全て枯れています。そのまま進むと左手には、杉林、から竹、スダジイの老木、ちんちく竹がまとまっています。右の小さな畑の土手にはゲットウの群生です。もう、この辺まで来ると川のせせらぎの音も聞こえてきません。時には、ホトトギスの鳴き声も聞こえ春らしき感じです。左側には、ソテツに玉ぐしを付けて祭ってあり、ソテツの周りには砂を撒いてあります。このような光景が国上小学校を過ぎた後にも出てきます。何の祭りなのか分かりません。

 しばらく行くと、県道581と591号線との三叉路に出てきます。そのまま581号線を行くと、国上小下のバス停があり、その先に浦田海水浴場への三叉路があります。海水浴場までの距離はここから右へ約2キロです。三叉路を過ぎると、花と緑の国上小学校の正門があります。正門周辺には、ビロー、ガジュマル、クスノキ、ハマヒサカキなどが生えています。そして、学校の反対側は国上保育所があります。また、正門の入口付近に「種子島国分寺跡」、「大内屋敷」のふるさと歴史散歩の案内板が2本立っています。国分寺の所在は、未だに不明で確認が待たれているとのこと。また、学校周辺には、藩政時代仮屋(島主の宿泊所)があったところで、上之城、大内屋敷とも呼ばれていたとのこと。

招魂神社  学校を過ぎると、依然として緩やかな坂道が続いています。しばらく行くと、左側に招魂神社があります。招魂碑や慰霊塔があり、左の招魂碑は、西南の役での戦死者を祀り、中央の慰霊塔は大東亜戦争の戦没者を、右は日清役出征者の招魂を祀っています。2枚目の写真はその神社を写しています。 神社を過ぎると、国上駐在所が左にあります。また、民家の庭先には、クロガネモチの赤い実がなっており、たいへんきれいです。自動車の修理工場を過ぎると、大蘇鉄の案内板が左にあります。この大蘇鉄は西之表市の名木・古木に指定されており、このホームページでも紹介しているので、そちらもご覧ください。

 この県道沿いには、たくさんの無人市場があり、旬の野菜、花などを100円で売っています。無人市場は、種子島のいたるところにあり、旬のものが安く手に入るので島民から親しまれています。緩やかな坂道になっていますが、坂を上りきると、少し下りになっていて、三叉路もありその道は上古田漁港に通じています。周辺の道端には、ヤブチョロギ、タネツケバナなども咲いています。前方の国見山には、携帯電話の無線アンテナやテレビアンテナが3本建っています。国見山は、種子島の北部で一番高い山で、昔、頂上付近には番屋もあったといいます。山の手前に三叉路があり、左は国上中学校へ通ずる道になっています。

 国見山を過ぎると、緩やかな下り坂になっており、東を見れば山々を展望でき長閑な雰囲気を楽しめる場所です。そして左の野原を見ると、ネコヤナギの群生を見ることができます。ここを過ぎると再び上り坂になって行き、野木之平まで続いています。しばらく進むと、右に畑があり、その道路沿いの土手に、ヤブチョロギが大群生しています。ものすごい数で圧倒されてしまいます。今までこんなヤブチョロギを見たことがありません。しばらくこの草花を見つめていました。

 ヤブチョロギの群生に感動し先へ進むと、白石地域に差し掛かってきます。ダイビング関係のショップを過ぎると、交差点があり、左は桜園地域へ通ずる道になっています。また、左側の林の中に白石神社もあります。しばらく行くと左側に、「としどんの里野木之平」の案内板を立ててあります。郷土芸能の「としどん」は、鞍勇、野木之平地域に伝承されています。この地域の共通点は、甑島からの移住者が多いので、古くから甑島にあったものと思われます。残念ながら、このホームページで紹介できていません。そのまま進むと、やがて左に信楽寺というお寺が見えてきます。そのお寺の庭先に移住記念碑を建立しています。ここを過ぎると左に上野木之平のバス停が見えてきます。緩やかな上り坂もここで終わり、今度は下り坂がず〜と続いていきます。道沿いには無人市場もあり、さつまいも、しばばななどを出しています。

サルシの坂 そのまま歩いていくと、片側に歩道があり、右に海が見えてきます。遠くには定置網が見えてきます。しばらく行くと、左カーブ付近から、前方に西之表港が見えてきます。眺めも大変素晴らしく、雄大な東シナ海を見ることができます。

 沖合いを航行する高速船ジェットフォイルの轟音が聞こえてきて、しばらく見つめていると、今度は高速船が馬毛島に近い海域で、行き違いする光景が目に入ってきます。陸地ではなかなか見えないけど、高台からはきれいに見え普段見ることができない光景を楽しむことができます。

 右の眼下には、大崎漁港も見え、3人が釣りを楽しんでいる様子が分かります。しばらく進むと、右に居酒屋兼民宿が見えてきます。お店の前には、アコウが2本あり、そのうち1本は、アーチ状になっており、たいへんめずらしいものを見ることができます。また、その反対側には、陶房もあります。種子島焼は、素朴で落ち着きのある雰囲気がある焼物です。

 下り坂を過ぎると、今度は緩やかな上りになっており、やがて、3枚目の写真の場所にやってきます。この坂は、「サルシの坂」と呼ばれ、南西の風をまともに受けるという意味で付けられています。また、昔は妖怪が出ると、大変怖がれていた場所といいます。そんな伝説があると「ふるさと歴史散歩」の案内板に書かれています。この坂道を行くとやがて「火縄展望台」があり、雄大なパノラマを楽しめます。

 坂を下ると、右に花里崎海岸が見えてきます。波の状態によっては、サーフィンができる海岸です。また、色々な表情の砂鉄を観察できる海岸でもあります。この周辺から、道路沿いにはマルバニッケイ、ハマゴウ、マサキ、そしてマツなど多数生い茂っています。潮のにおいが何ともいえないですね。しばらく行くと、ツキイゲの自生地も海岸にあります。標柱があるので、すぐ分かります。そのまま進むとやがて、左に市営、県営住宅が見えてきます。海岸沿いの空き地には、ガジュマルが何本かありますが、そのすべてが季節風の影響で陸側に傾斜し、真直ぐ伸びていない光景を見ることができます。種子島の季節風の度合いを知る貴重なガジュマルです。この地域は美浜町で、西之表市街地になっています。美浜町から野首(のくび)を通って、西之表旧港に出ることにしました。

 海側のスーパーの前を左前方の細い道をそのまま進むと、トンギョウの坂(尖っている坂のこと)があり、西之表港もすぐ近くになってきます。そのトンギョウ坂を下ったT字交差点の右は、御坊(おぼう)墓地や、鉄砲場へ通じる道になっています。晴天に恵まれた散策も終わりになってきました。

※散策日:平成19年2月12日/10:00〜14:36/晴

浦田漁港〜西之表市街地の地図浦田」国上浦田漁港をスタート←写真1枚目

県道581号線を右へ

中目」国上
↓←写真2枚目
寺之門」国上

野木平」国上

大崎」上西

「大広野」上西
↓←写真3枚目
花里崎」上西

大花里」上西

池之久保」上西

美浜町」榕城

県道581号線を左へ(野首へ)

野首」榕城

西町」西之表港終点