さとうきびはこうして処理される!

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無駄なく利用されているさとうきび

種子島で栽培されているさとうきびは、平成24/25年度期で、2,789ヘクタール、生産量は162,248トンを見込んでいます。農家で収穫されたさとうきびは、種子島の中種子町にある新光糖業株式会社中種子工場へ運び込まれ、分蜜糖と呼ばれる製品として出荷されています。この分蜜糖のことをローシュガーと呼んでいます。出荷された製品は、更に精糖処理されて、白砂糖や氷砂糖として市場に出回ることになります。

新光糖業樺種子工場のさとうきびの処理工程を取材させていただき、その模様を掲載しています。では、さとうきびの処理工程を簡単に説明します。

さとうきびの収穫→トラックで工場へ運ぶ→計量する→サンプル品を抜き取る(糖度の測定)→ヤードに積まれる→きびの投入→きびをを細かくカットする→金属検出器を通る→圧搾する→搾り汁に石灰を加えてろ過し不純物を除去(石灰清浄法)→濃縮する→結晶させる→遠心分離機にかける→貯蔵タンクに入れて出荷→分蜜糖をトラックで港へ運ぶ

このようになっています。

平成24年12月13日に工場が稼動し、本格的に操業を行っています。中種子工場の処理能力は、一日当たり千五百五十トンです。12月31日〜1月4日(年末年始)までと、2月26日〜28日(機械のメンテナンスと増産推進日)までの期間は操業を休みとしています。操業期間中は、8時〜15時、15時〜23時、23時〜8時という三交代で、24時間工場が稼動しています。また、工場は関連会社を含めると総勢130名で操業しています。

朝日開発中種子工場 昭和30年代の朝日開発中種子工場

製糖工場のこれまでの経過を説明しますと、

国内の甘味資源の自給率の向上と種子島でのきび作農家の工場建設要請を受けて、昭和31年11月に朝日開発鰍設立し、同32年中種子工場を建設し、黒糖製造を開始しています。このときの処理能力は、一日150トンでした。その後、昭和36年に西之表市、昭和37年に南種子町にそれぞれ工場を建設していました。その後砂糖の輸入自由化、農家の労働力流出による減反など、企業を取り巻く情勢が厳しくなり、親会社への吸収合併を経て、昭和39年10月に新光糖業株式会社(株主:住友商事株式会社・新光製糖株式会社)として分離独立し、昭和45年南種子工場を閉鎖、平成4年西之表工場を休止、その後平成7年閉鎖し、中種子工場の処理能力を一日あたり1,500トンにアップして、経営基盤の強化を行い、現在に至っています。

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工場全景 トラックスケール サンプル抜き取り
工場全景 トラックスケール サンプル抜き取り
工場を南側から写したものです。写真右は管理棟、中央は製造棟です。この左後方に、トラックスケール、サンプル抜き取り棟があります。 畑で刈り取られたさとうきびは、トラックで工場に運び込まれます。一日400台のトラックが計量されます。荷を積んだままと、荷下ろしの状態と、2回計量し、重量差で、さとうきびの重量が分かります。これを集計していくと、最終的に期間に持ち込まれたさとうきびの重量が分かります。 計量が終わったトラックは、きびのサンプルを抜き取られます。重機で抜き取り、きびの糖度を測定します。
不要なハカマを除去する シュレッダーにかける 糖度計にかける
不要なハカマを除去する サンプル抜き取り 糖度計にかける
抜き取ったきびは、中くらいのコンテナかごに入れられます。ここで、シュレッダーにかける前に、不要なハカマなどは作業員によって除去します。これは、トラックで運ばれてきたものは全てです。 きびをシュレッダーにかけると写真のようになります。これをよく混ぜて適量取出し測定用の試料容器に入れます。 サンプルを糖度計にかけます。このあと、蓋を閉めて、糖度を測定すると、左のディスプレーに表示されます。糖度によって、きびの価格が決まっているので、サンプル抜き取りは大事な作業工程です。
ヤード きびの投入 きびの投入
ヤード きびの投入 きびの投入
こちらは、手刈りしたきびのヤードです。重機で荷下ろし積んでいきます。 大型の重機で、きびを投入していきます。この作業は、昼夜行われます。 ここからの工程は、コンベヤで流れていきます。この先にカッターがあり、きびが小さくカットされていきます。
カットされたきび 投入工程 金属検出器
カットされたきび 投入工程 金属検出器
投入されたきびは、上下に付いた二枚の刃で、細かくカットされます。 きびの投入口は、写真前方です。カットされたきびは、圧搾工程にコンベヤで送られます。 圧搾機に送られる前に金属検出器を通過します。平成12年にはハンマーが混入し、圧搾停止2時間20分という事故も発生しています。主な混入物として、ステンパイプ、空き缶、鎌、針金、鍬、番線、鉄くずなど色々です。工場でも注意を呼びかけています。
圧搾工程 圧搾工程 搾り汁
圧搾工程 圧搾工程 搾り汁
金属検出器を通過すると、4連の圧搾機にきびが送られます。圧搾機は、蒸気タービンで搾られています。圧搾機のドラムは、段ごとに圧搾面が違っています。効率よく搾られるように作られているのです。 圧搾機は、ゆっくりした回転です。圧搾するときは、注水しながら行われます。きびは、四つの圧搾機を通過します。 圧搾された搾り汁です。薄い茶色ぽいです。ここを出た搾り汁は、ジュースヒーターへ送られます。

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【撮影場所】
鹿児島県熊毛郡中種子町野間11,033番地
【撮影日】
2013年1月25日(金)/2011年12月24日(土)
2014.2.14〜