ひょうたん踊り

陣地の士気を高めるためのひょうたん踊りか...

ひょうたん踊りの本踊り
【撮影場所】
鹿児島県熊毛郡中種子町油久向町公民館
【撮影日時】
平成28年9月19日(月)/14時37分〜15時18分
【奉納場所】
中種子町油久向町公民館
【奉納時期】
毎年九月十五日前後(敬老の日)
【アクセス方法】
中種子市街地から向町公民館まで約7分です。

【踊りの説明】

中種子町油久向町敬老会で奉納された向町集落の皆さんによるひょうたん踊りです。ひょうたん踊りは、中種子町や南種子町の各地域に伝承されている郷土芸能です。今回、十五年ぶりの復活踊りで、地方創生基金を利用させていただき衣装などを準備されたそうです。

鳴り物は、太鼓、入鼓、鉦ともに一人ずつの三人。踊り子は、紋付・袴姿で腰にひょうたん札をつけています。鳴り物が三人、踊り子が八人の合計十一名による踊りです。踊りは、どこの地域も一重円で、中心部に鳴り物が配置されたものがオーソドックスな隊形となっています。地域により、身に着けている衣装に大きな特色があります。

ところで、ひょうたん踊りは、関西方面から昔伝承されたのではないかと言われています。歌詞に関西地区の地域名などが出てきます。踊りは、地域により歌詞も少しずつ違いがありますが、通常、金山節により踊られています。一般的に約十分ほどの踊りです。ひょうたん踊りは中踊りに属し、出端、本踊り、崩し、引端の部分から構成されています。

向町の「ひょうたん踊り」は、古老によると、かつては油久3ヶ町(西之町、東之町、向町)の踊りでした。大正天皇即位を記念して、向町伊助翁が若き時代を思い起こし復興しました。衣装を紋付・袴で踊ったところ大盛況で、それ以来「向町ひょうたん踊り」として評判になったという。唄詞そのものは、京の都を彷彿させる内容だが、「みどが若い時は、腕に生傷たえなんだ」と、陣中で戦を鼓舞する踊りともいわれています。

向町のひょうたん踊りの特徴は、まず、陣笠をかぶっていることです。ほかの地域で見れない大きな特徴です。次に、紋付・袴と腰に刀を差して踊ることです。通常は、農民が赤ふんどし姿で踊るのが多い中、武士姿で踊ることが大きな特徴と言えます。通常は、こっけいな仕草などで哀愁に満ち溢れている踊りですが、士気を高める雰囲気を持つひょうたん踊りになっています。

写真一枚目は、本踊りの前半部分です。一重円の隊列で、反時計方向に移動しながら踊っていきます。ひょうたん踊りは、かなり腰を低くして踏ん張る踊りですが、向町のひょうたん踊りでは低い体制は出てきません。

ひょうたん踊りの出端 写真二枚目は、ひょうたん踊りの出端です。鳴り物、踊り子ともに入場します。鳴り物を中心に、やや放射状に広がりながら次第に円形の隊列になります。全員の入場が終わると、本踊りが開始されます。このとき、ひょうたん踊りの特徴である、踏ん張りなどは出てきません。
ひょうたん踊りの本踊り 写真三枚目は、ひょうたん踊りの本踊りです。円形の隊列で踊っています。外周の踊り子です。仕草の中には、本来のひょうたん踊りの仕草を思わせるのも出てきます。写真参照。
ひょうたん踊りの鳴り物 写真三枚目は、ひょうたん踊りの鳴り物です。左から、太鼓、入鼓、鉦です。素朴な音色が特徴です。なお、鳴り物はほとんど定位置です。
ひょうたん踊りの本踊り 写真四枚目は、ひょうたん踊りの本踊りです。今回、中学生も参加しています。
ひょうたん踊りの崩し 写真五枚目は、ひょうたん踊りの崩しです。雰囲気としては、通常のひょうたん踊りの節回しです。右手にひょうたん札を持って踊ります。
ひょうたん踊りの引端 写真六枚目は、ひょうたん踊りの引端です。鳴り物に合わせて退場します。
 ひょうたん踊り

ひょうたん ますのえ 先スッス 後スッス
濁り酒小杯きゃ桶こその おばじょがせいちゃは おしよらしよの ヤッサ サッサ サ
うんが さんがの関よ 出す折は
      ストテン ストテン テンテンテン シャンシャンシャン

かなやまに三味線無いと 誰が言うた
あればこそ 駒嬢を 引きつ引かれつ
ちんぶりに茶舟が無いと 誰が言うた
あればこそ 竹嬢を 乗せて さまがやる
小松原 入り端も 出端も 良けれど
七曲がり小川で 裾が濡れそうよ

五条渡りは くるまでやるが
三條小橋は
ノホホン ノホホン ノンホノーイヤー ノンホノーイヤー
唄でやる 唄でやる
アイヨー ヨーホホー アーイーヨー 咲いた桜に なぜ駒つなぐ 駒が勇めば
ノホホン ノホホン ノンホノーイヤー ノンホノーイヤー
花が散る 花が散る
アイヨー ヨーホホー アーイーヨー きみは川上 わしゃ川下に 書いて流しゃれ
ノホホン ノホホン ノンホノーイヤー ノンホノーイヤー
玉梓を 玉梓を
アイヨー ヨーホホー アーイーヨー

アイヨー ヨーホホー アーイーヨー
ほんになりたよ 大和さまの ひょうたんに サッサ 昼はお腰に 下げられて ブララン
せんとなー ごじゅうまんじゃく クルシュン クルシュン かたじけな サッサ
みどが若い時は 腕に生傷たえなんだ サッサ エー 今では われらがこころ
なかなかたまらん サー おかしいことよ サー ヒイー ヒイー ヒイー ハアーハアーハアー
ハットセイ まちまんだいで 解放
アイヨー ヨーホホー アーイーヨー
こりあどこ踊りやれ この松坂超えて サーサ 松坂超えて ヤッサー 踊り解放 サッサ サッサ サッサ (退場)

※ 平成28年9月19日、中種子町油久向町敬老会で披露されたひょうたん踊りを紹介しています。この動画に中には、ひょうたん踊りの入場、本踊り、くずし、退場、踊り子の踊る前の意気込み、コメントなどを収録しています。

なお、YouTubeでのアドレスとタイトルは次の通りです。

種子島の伝統芸能:向町ひょうたん踊り15年ぶりの復活踊り

 
 
2016.9.20〜