島間港〜門倉岬

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 今回の「ふるさと散策」は、南種子町島間港から門倉岬までの15キロの散策です。種子島は梅雨の後半になっていますが、日曜日が久しぶりの晴天です。しかし、日差しが強くなるような気配がしてやや不安な面もあります。正直言って、紫外線に当たることは体によくないことです。天気が良くても別な心配があるから大変です。いつもの通り、車は前もって終着点の門倉岬へ置いておきます。

 前回の散策から約2週間ぶりです。南種子漁協周辺も日曜日ということで、人影もありません。静かな港町です。近くのお店でドリンクと黒糖飴を買っていきます。水もOK!いざ出発です。また、今日の散策から変わったことと言えば、デジカメを更新したためかなり大きくなったものを首に下げていることです。

南無妙法蓮華経 お店の横の国道を上っていきます。右カーブの上り坂になっており、出端から坂道です。今日の散策の特徴は上り下りが多いことです。途中道沿いをよく見ると、ヤブカンゾウが咲いています。人家付近です。なかなか野原で見ることがありません。ヤブカンゾウは別名オニカンゾウとも言われており、花が八重咲きみたいになっており、ノカンゾウなどと見分けが付きます。そこを少し過ぎると両サイドにお墓があります。そのお墓の一角に「南無妙法蓮華経」の石碑があります。種子島のいたるところで分布している石碑です。かなり年月が経過しているので、刻まれている文字もはっきり分かりません。「寛永六」とか、「乃至法界平等利益無差」などと刻まれています。

 お墓を過ぎると、左カーブで周辺は住宅街になっています。カーブを曲がると、左に大光山本妙寺という法華宗のお寺があります。仕事で島間にもよく来るのですが、お寺の庭などを見たことがありません。新築されてまだ新しいという状態は道路を通るたびに分かっていました。せっかく、散策しているのだから、お寺に寄ってみることにしたのです。正門の入口付近から一枚写した後、少し先のほうから、お寺の庭先に行ってみました。どうやら、勇ましいエンジン音が聞こえてきます。近くに行って見ると、道路側に植えてある樹木が枯れてそれを切っている最中でした。「おはようございます!」と大きな声で挨拶をすると、三人で作業していた中の、お一人の方が私のところまで近づいてきます。どうやら、お寺のご住職さんのようです。「大変立派なお寺ですね。庭などを見せていただいていいでしょうか」と言いますと、「どうぞ、見てください。よろしければ中のほうも見てください」と答えてくれまして、本堂のなかを案内してくれました。

本妙寺本堂 本堂に入る前で、新築された年を聞くと、平成14年4月28日に完成しています。本堂入口には、賽銭箱や鈴もあります。もちろん、被っていた帽子も取り、そして賽銭を入れ鈴を鳴らし今日の散策が無事終わるように祈願しました。靴を脱ぎ、中を見回すと、一面金色に囲まれたその鮮やかな本堂に感動するばかりです。ところで、本堂に入る前に、庭に建ててあったお寺の沿革など見ていましたら、そのなかで高額の寄付をされた方がいたことを知りました。そこで、ご住職さんにその高額な寄付のことを聞きましたら、寄付金の半分は本堂の内部装飾に使ったといいます。本堂の真ん中の壁には、純金を使っていると聞きました。その壁をよく見ると、10センチ四方の純金箔をつなぎ合わせて貼り付けています。本堂もきれいに整理されており感動がとまりません。また、左側の壁には、「滝」や「島間港」の風景画を額縁に入れて飾っています。また、そして、ご住職さんが取った大きな「なば」の写真のカレンダーも飾っています。ご住職さんが、ご丁寧に対応してくれまして、私も立ち寄って本当によかったと思い、お礼を言いながら本妙寺をあとにしました。

 お寺を過ぎても上り坂が続いています。道沿いは小さな石積みの土手が続いています。かなりの年数がたっているのでしょう。右にはタブノキの老木が少し先に見えています。そして、十字交差点が見えてきました。交差点をそのまま進むと、やがて御崎神社に行き着きます。右は島間港へ通じています。交差点を左へ行くことになります。少し行くと、三叉路で、右が門倉岬方向です。交差点付近にカイコウズもまだ赤黒い花をつけています。また、ノアサガオもたくさん咲き誇っています。その先には、キダチチョウセンアサガオも自生しており、ほとんど花をつけていません。しばらく行くとまた三叉路が見えてきました。

 交差点付近に牛野入口のバス停があります。そのまま右へ行くことになります。交差点を過ぎると、緩やかな上下があるS字カーブになっています。道沿いには、ヒナギキョウ、マメグンバイナズナ、キンゴジカなどの草花が咲いています。少し遠くから、エンジン音が聞こえてきます。畑の中を見ると、夫婦でからいもの予防をしているところです。背中に背負った動力噴霧器を使っているのです。からいもの苗もだいぶ大きくなっています。この付近から緩やかな右カーブで下り坂になっています。道沿いの雑木林も海岸に近いので高木はありません。まばらにキンケイギクがまだ咲いています。しかし、ほとんど実に熟しています。そのなかで花びらの青さが素敵なツユクサも咲いています。少し行くと、正面に屋久島が見えてきました。中央より南側に雲がかかっていますが、見通しも悪くはありません。道沿いや屋久島を見ながら先へ進んでいます。ルドベキア、ムシトリナデシコも僅かに咲いています。そのまま進むと左カーブになってきます。その先は海岸です。カーブの右に海岸への道があります。そこを見ると車が5台駐車しています。遠くの海岸を見ると、釣り人が見えています。このホームページで紹介している場所にその姿が見えています。今日は、北西のやや強い風が吹いています。遠くの海を見ると、白波が立っているのがよく分かります。釣りにはいいかもしれません。この風があるので、日差しが照りつけていますが、涼しく感じさせてくれています。しかし、暑いのには変わりはありません。もう上下とも汗だくになっています。空を見上げれば、影になってくれるような雲は期待できません。真っ青です。焼けてしまうのは覚悟しているのですが・・・。

 海岸から潮騒が聞こえてきます。程よく潮風も吹き目の前を過ぎていくような感じです。しばらく進むと、道路も平坦になってきます。陸側の道沿いには、ヤブマオ、フジウツギ、マルバニッケイ、そしてクワズイモなど自生しています。しばらくすると道沿いに湧き水が出ている場所があります。そこには、誰がおいたのか分かりませんが、紙コップも置いてあります。そのなかに入ると、ひんやりしてきます。自然のクーラーみたいな感じです。暑くてのどが渇いているので、湧き水を口に含んでみると、やはり自然ですね。とても飲みやすく、柔らかい感じです。のどごしもさわやかで、いい気分です。水も大変きれいな湧き水に出会えて爽快です。

 湧き水を後にすると、やがて海岸側に州崎港が見えてきます。港の中を見ると人影もなくひっそりとしています。湊付近から陸側に人家が点在しています。海岸に近いので、人家の周りには防潮林として、マルバニッケイ、トベラ、ガジュマル、などがあります。そして、小川の近くには少し水田もあります。人家の道路沿いは、きれいに石積みされています。道路沿いには、お花も植えてあり、とてもきれいです。マツバボタン、ニチニチソウ、ひまわり、その他いろいろです。よく見ると、中には空き家もあります。ここは牛野地域です。ハマヒサカキ、ヤマビワなどの防潮林もあります。そこを過ぎると小さな沢があり、せせらぎも聞こえてきます。そして牛野のバス停が左にあり、直線道路になっています。少し先に三叉路があり、交差点左は椿野地区の農免道路になっており杭凪へ通じています。

 農免道路の交差点付近に、「牛野トメ女顕彰碑」を建立しています。この記念碑は、「種子島の記念碑」で紹介しています。そちらもご覧ください。現在歩いている海岸とおりから、下西目にかけては、たくさんの小さな沢が多いところです。交差点を過ぎると、小さな岩川があります。私も久しぶりに川と再会です。平成18年にこの川のせせらぎを紹介するために来たことがあるのです。もちろん、このホームページで紹介しています。今はどうだろうか。夜になると、ダクマ獲りで来る人がいるんじゃないかと想像してしまいます。岩川を過ぎると、左カーブになっており、前方に大川地域が見えてきます。カーブを過ぎても民家はありません。道路は大きなS字カーブになっています。そのまま進むとやがて、那辺川があります。周辺にはバショウがたくさん自生しています。そこを過ぎると、左に「南種子町の神社」で紹介している中ノ塩屋神社があります。神社を過ぎると、大川はすぐそこです。右に大川漁港、左は大川小学校です。

恵比寿岩屋 漁港周辺を見回しても人影もありません。西海地区の漁港の近くには、必ず護身岩屋あるいは恵比寿岩屋があり祭っています。写真の岩屋は、大川漁港の大川川沿いにある岩屋です。小さな宮もあり祭っているのが分かると思います。写真では、宮は一つに見えますが、その奥にも小さな宮があるのです。そして、大川川を見ると、以前に比べると水深が浅くなっています。その原因は、河口付近の石を取り除いています。水の流れがスムースになるように改善しているのです。私も久しぶりに川とご対面でした。県道に戻り、少し先のお店で、飲料水とおつまみを買うことにしたのです。

 お店を過ぎると、左に大川公民館があります。その右横に廣濱神社があるので、参拝することにしました。境内に来るのは、昨年の「くらまぐち」を見て以来です。神社を過ぎると、上立石漁港が右にあります。その漁港付近に「枕状溶岩」の記念物があります。県道沿いにその案内板がありますが、実際漁港付近に行っても、場所が分かりません。目印の鉄柱が腐食でなくなっています。漁港付近から、先の官造牧まで、ず〜っと上り坂が続くのです。上立石漁港過ぎると、下立石漁港があります。漁港付近の大きな岩屋が見事です。護身岩屋あるいは恵比寿岩屋でしょうか。漁港付近を南側に行くと、「種子島製塩初地の碑」があります。このホームページで紹介しています。西海地区は、今から800年以上前から、製塩を営んでいた地域です。一口に製塩といっても、今時みたいに、大きい鉄製の鍋があったわけではありません。ゲットウの葉と粘土で作った鍋で塩焚きをやっていたのです。土鍋はすぐに壊れていたようで、塩焚きは事故が多かったといわれています。大変な苦労があったと想像がつきます。

 漁港を過ぎると、左に赤い鳥居が見えています。立石塩屋神社です。立石神社は、道路改善工事のため、移転され現在の地になっています。小高い場所にあり、眺めもいいところです。秋季大祭では願成就もあり、「くらまぐち」や「はなはかずかず」という郷土芸能を毎年交互に奉納しています。また、海岸を見れば、屋久島が近くに展望できるのです。しばらく行くと、下立石のバス停が右にあります。現在、左カーブの上り坂になっており、曲がりきると直線道路です。バス停を過ぎると、三叉路で左は南種子市街地へ通じています。そのうち、若者が元気よく走り抜けていき、うらやましく思うばかりです。こちらは汗だくでかなり必死です。野大野の台地で、湧き水が多く、周辺には、小さな沢が点在しています。その沢から快いせせらぎの音が聞こえてきます。現在散策している県道は、昔は断崖絶壁で、道がなかったそうです。そこで、砂坂の砂坂孫左衛門氏が約7年間かけて開通させたといいます。「種子島の記念碑」で、紹介しています。そちらもご覧ください。私が今、この道を歩いているのは先人の苦労のおかげです。感謝せずにはいられません。

 しばらく行くと、十字交差点でやっと上り坂も終わるところです。右へ行くと、元採石場の跡地になっています。ここから平坦な道路になっており、しばらくすると三叉路があります。右の小さな道を降りていくと、海岸へ通じています。その海岸には「砂坂孫左衛門翁の碑」があります。交差点を過ぎると、やや下り坂でそして右カーブを曲がると直線道路になっており、やがて人家が右にあります。民家を過ぎるとサトウキビ畑もあります。約1mほどに成長しています。周辺にはまばらですが、モントブレチアも咲いています。別名地元では「ピーピー草」などと呼んでいます。周辺の配電線を見ると、電圧降下分を昇圧するブースター変圧器のうなり音が聞こえてきます。やがて三叉路が見えてきます。左は野大野、南種子市街地へ通じています。ここを過ぎると左の道沿いにバショウが自生しており、その先に官造牧のバス停があります。官造牧から西之校区になっています。

 バス停を過ぎると、左側に棚田があります。稲穂も出ています。そして畑もあります。道沿いには、花が散り、実をつけたキンケイギクが生えています。右カーブを過ぎると、緩やかな下り坂が砂坂のお店近くまで続いているのです。道沿いには、田んぼがあったり、雑木林があったりです。アカメガシワ、イヌビワ、ヤマハゼ、スダジイなどのほか、エゴノキにはたくさん実が付いているのが分かります。また、雑木林の合間からせせらぎの音もいくつかの箇所から聞こえてきます。下り坂で直線道路も終わりに近づくと、急な左カーブになっています。左に「砂坂孫左衛門翁の碑」の案内板があります。少し先は三叉路になっており、右へは砂坂公民館、砂坂漁港、砂坂神社へ通じています。

 砂坂の店を過ぎると、野尻はもうすぐです。上瀬田の台地を見上げると、携帯電話の無線基地局が一塔見えています。現代風な景色かなとつぶやきながら先へ進んでいます。道沿いには、よく見るとネジバナもまばらに咲いています。強い日差しの中でピンク色は結構目立つものです。しばらく行くと、右に野尻のバス停が見えてきました。砂坂から下西目までは平坦な道路は少なく上り下りが多いところです。左右を見ながら進んでいくと、交差点付近にお墓があります。献歌の碑もあり、大変立派な歌が刻まれています。
合掌
祖先を祈りて
      我が心
   夕凪の如く
     安らぎを
         覚ゆ
先祖を敬い感謝の気持ちが、ひしひしと伝わってきます。各お墓の前の両サイドの献柱には、「やすらかに」という言葉が刻まれています。私も思わず合掌させていただきました。

 野尻を過ぎると木原です。バス停の近くにタバコの乾燥場があって、ボイラーの運転音が聞こえてきます。また、タバコの葉特有の匂いもします。種子島ではタバコの乾燥は7月で終了します。タバコ畑を見ると、葉も黄色みがかっているので、終盤に近づいているのでしょう。少し上り坂になっており、十文字が見えてきます。左は、すぐ右に木原神社があります。右は木原漁港に通じています。交差点を過ぎると、左カーブの下り坂です。道沿いを見ると、強い日差しのせいか分からないけど、ノアサガオの花びらがしぼんでいます。右には水田や畑もあります。正面に「うすもっこやま」が見えてきました。下り坂も終わり上り坂になっています。うすもっこやまの右に臼元のバス停があります。そして、うすもっこやまの入口付近に来ると、今度は下り坂になっていきます。

 周辺はS字カーブになっており、坂を上りきると、右にアコウの大木があります。ここは小田で、以前このアコウの大木を紹介したこともありましたが、現在は掲載していません。大変立派なアコウです。アコウの前は畑で、「ウコン」、あるいは「ガジュツ」を栽培しています。何れも健康食品として有名です。そこを過ぎると、小田のバス停が右にあります。その先は五差路の交差点になっており、右は小田漁港へ通じており、左は前之原に通じています。その左は前之原神社へ通じています。門倉岬へはこのまままっすぐ進むことになります。交差点付近はお墓になっています。ここを過ぎると、県道も狭くなっていきます。周辺は竹林が大半です。ニガダケがたくさん出ているのでしょう。道沿いには、ピーピー草もまばらに咲いています。竹林を過ぎると、右に水田や畑が見えてきます。また、コオニユリもまだまばらに咲いています。やがて左に下西目神社が見えてきました。ここで参拝することにしたのです。神社を過ぎると十字交差点です。左は南種子市街地へ、右は下西目漁港に通じています。この十字交差点を過ぎると、少し先に三叉路があるので、右へ行くことにします。県道75号線とはここでお別れとなります。

 この交差点から門倉岬までは2キロもありません。終点も残りわずかとなってきました。周辺の道路は下り坂になっており、大きなS字カーブになっています。道沿いは畑で、からいもやサトウキビを作っています。そして右の畑の土手沿いには、ハマヒサカキが生えており、感じのいい土手に仕上がっています。右カーブ、左カーブが続いています。畑によっては、「ウコン」などを栽培しています。道沿いはクサギがたくさん自生しています。所々からせせらぎも聞こえてきます。車の往来もまったくありません。私の貸切でしょうか。直線道路から右カーブそして左カーブになると急な坂になってきます。坂の途中に門倉岬への三叉路がありますが、このまままっすぐ進むことにします。カーブを過ぎると直線の上り坂が続いています。前方を見ると、県道76号線沿いの配電線が遠くに見えています。進むごとに少しずつ大きく見えてきます。周辺は畑で水田はありません。そして、畑の土手沿いには、自然な防風林があります。

 先ほどの三叉路から約200mくらい先に三叉路があるので、そこを右へ行きます。畑の防風林の下にコオニユリが勇敢な姿で咲いています。しばらく進んでいると、畑で札を見つけたので、近づいてみると、「平成18年度さとうきび優良種苗供給確保事業 原種ほ・(春植) NiF8:15a 植付日H19.3.15 ・・・・」などと書かれています。周辺には、ヤマビワ、ハマヒサカキなどの防風林があります。そのまま行くと、十字交差点です。左は県道76号線へ、右は崎原漁港へ通じています。また、交差点付近には、「門倉岬」の小さな案内板があります。この交差点は、「南種子町のふるさとの情景」の、「崎原」で紹介しています。このまま先へ行くのですが、門倉岬はもうすぐです。海岸側は造園で使う、花木を植樹しているのでしょうか、岬までたくさんあります。道路は細い道で舗装されていません。しばらく進むと、門倉岬の鳥居が見えてきました。もう、体全身が汗だくです。鳥居を見た瞬間、ホッとしました。今日の散策も無事終了です。では、また・・・

※散策日:平成19年7月1日/09:42〜14:53/快晴

島間港〜門倉岬の地図仲之町」島間港南種子町漁協をスタート
↓←写真1枚目(南無妙法蓮華経の石碑)
大光山本妙寺←写真2枚目(本堂)

田尾

牛野

牛野トメ女顕彰碑

「中ノ塩屋」
↓←写真3枚目(大川漁港恵比寿岩屋)
大川

廣濱神社

上立石

下立石

官造牧

砂坂

野尻

木原

「臼元」

小田

下西目

崎原」門倉岬終点