納官小学校〜島間港

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 久しぶりに散策をすることにしました。今回は、中種子町原之里納官小学校から南種子町島間港までの16キロの散策です。種子島も梅雨に入っており、すっきりしない日が続いています。空全体に雲が出ていますが、大雨はないだろうとの判断で決行です。いつもの通り、車は前もって終着点へ置いておくのです。

 日曜日ということで、学校も人影もありません。静かな日曜日です。学校の横にお店がありますが、ちょうどお店の正面の土手に、「宮吉良の石塔」の案内用の標柱が立ててあります。「宮吉良の石塔」については、このホームページで紹介しています。その標柱を過ぎると、右へ向うのです。道路沿いには、キンケイギクがまばらに咲いています。少し日当たりの悪いところには、ユリズイセンも咲いています。華やかさと地味な雰囲気が混ざっています。やはり夏の草花は、鮮やかさや華やかさがほとんどです。畑を見ると、サトウキビがやがて1mくらいまで成長しています。最近のまとまった雨は、農作物にとって恵みの雨になっているのでしょう。もちろん、さつまいもも露地で植えてあります。

 道沿いをよく見ると、ランタナもまばらに花を咲かせています。最近、野生化したものをよく目にします。ランタナは、七変化で花の色を変えていきます。遠くからでも近くからでも美しい花にうなずいてしまいます。しばらく行くと、三叉路で右へ行くことになります。ちなみに左は野間へ、右は岩岡、大牟礼に通じているのです。この周辺の左土手沿いには、コオニユリがたくさん自生しており、華やかさを感じさせてくれるのです。しかし、最近の雨風で、花びらの痛んでいるのもだいぶあります。花の宿命でしょうか。そのはかない命でも精一杯生きているのでしょう。言葉はしゃべらないけれど、咲いている姿で何か感じるものがあります。

 右へのカーブを曲がると、下り坂になっており、季節風の影響を強く受ける場所です。海岸に近いので、砂が道路まで吹き積もるところです。道路もあまりよくありません。ガードレールも相当腐食しています。そして、一部なくなっているところもあります。海岸は右にあり、原之里海岸です。きょうは、大潮でマイナス潮なので、潮干狩りなど海岸に訪れる人も多いのではないかと思います。坂を下り終わると、左のヘアピンカーブです。道路沿いには、マルバニッケイ、トベラ、松などが自生しており、ハマナタマメ、テリハノイバラなどが花を咲かせています。しばらく行くと、右にキョウチクトウが植えてあります。キョウチクトウは今が見ごろで、ピンク色の花を咲かせています。キョウチクトウは日本中に植えられており、車の排気ガスに強い樹木として有名です。したがって、街路樹としてどこでも見ることができるのです。そして、右に汚泥再生処理センター(し尿処理場)が見えています。平成15年に完成しています。中種子町と南種子町の施設なのです。

 処理場を過ぎると、下り坂になっています。ヤマグワの実も落下して、ほとんど付いていません。モンシロチョウも蜜を求め、花を探し回っています。また、どこかで、ホトトギスの鳴き声が活発に聞こえてきます。下り終わると、名前のない橋が架かっています。東側の川を見ると、コンクリートで河川工事が行われた川です。反対の海側を見ると、橋付近はコンクリートですが、先は川本来の姿です。橋を過ぎると、県道588号線に出るまで急な上り坂が続くのです。

 坂の途中、左は山砂の採取場になっており、機械の残骸があります。現在、稼動しているかは分かりません。特に左側の道沿いには、コオニユリがたくさん咲いている場所です。「ふるさと種子島」のトップページにコオニユリを掲載していますが、この周辺で写したものなのです。そして、松をよく見ると、松毬がたくさんついています。それも緑の松毬です。知らないところで、植物は変化しているのですね。時折、日も差してくるので、汗ばんできます。左の畑にはたばこを耕作しています。たばこの葉はだいぶ黄色く変色しています。右はサトウキビ畑です。土手を見ると、少しハイネズもあります。やっと坂を上りきると、「止まれ」の標識が見え先は、県道588号線です。

 県道に出ると、周辺にヒメジョオンが群れて咲いています。遠くを見ると、見通しが大変よく、いい眺めです。しばらく右へ行くと、大牟礼地区の長浜海岸の案内板があり海岸へ通じています。道路は緩やかな左カーブの下り坂になっており、キンケイギクなどがまばらに咲いています。また、クズが道沿いまで這い出しています。途中左に、立派な邸宅があります。ガジュマルやヒサカキで垣根ができており、思わずふり向いてしまいそうです。時折、涼しい風が吹いてくれて、少しは気分も上々です。道沿いには、アレチヌスビトハギが数本群れて咲いています。樹木では、低木のアカメガシワがたくさん自生しています。カーブを過ぎると次の交差点までは緩やかな上り坂です。また、坂の途中、右に共同たばこ乾燥場があります。

 坂を上りきると、交差点は十字になっており、そのまま先へ行くことになりますが、左へ行くと約200m先に伊原神社があります。伊原神社では、三年に一度伊原地域に伝承されている、「北の町大踊り」の郷土芸能を奉納しています。交差点周辺には無人市場や伊原のバス停もあります。ここを過ぎると、緩やかな左カーブの下り坂になっています。しばらく行くと伊原川に新島廻橋(しんしままわりはし)があります。橋の上から東側を眺めると、田んぼのあぜ道の草払いをやっている人も見えており、更に遠くにはごみ処理場の高い煙突もきれいに見えています。水田の緑鮮やかさが素敵です。そして、反対側を見ると、水田の先に海が見えています。また、水田と平行に海岸への道があります。橋を過ぎると、急に道が細くなっていき右カーブの先は、旧県道と交差しています。

 交差点を過ぎると、右に養鰻場が見えています。水車の勢いのある音が聞こえてきます。中種子町には2ヶ所の養鰻場があります。昔は、左側にも養鰻場がありましたが、現在は荒地になっています。道沿いには、コオニユリが咲いてくれています。また、かなり背が伸びたヒルザキツキミソウもまだ楽しめます。新島廻橋を過ぎると下田です。下田は何といってもたばこ耕作が盛んな地域で有名です。農免道路の交差点の少し手前に来ると、左側からボイラーの運転している音が聞こえてきます。そうです、自家用でたばこ乾燥をしているのです。中種子町には2ヶ所共同のたばこ乾燥場がありますが、自家用でも乾燥場を持っている人も多いのです。

 農免道路の交差点を過ぎると、人家の庭先のヒマラヤスギが目立ってきます。そして左に下田神社があります。ここで参拝することにしました。鈴を鳴らし、拝礼すると、左奥に大きなカライモが目に入ってきました。それが3個あって、神社に奉納したものでしょう。カライモと一緒に燈籠もあります。もちろん、お賽銭も入れてあります。神社を過ぎると下り坂です。道沿いには、ナワシロイチゴがたくさんあります。また、クズもたくさん自生しています。下りから上り坂になると、途中右へ下田地区の長浜海岸入口があります。

 なだらかな上り坂で、右側は竹林でかなりニガダケが生えているのがわかります。上りきると、今度は緩やかな右カーブの下り坂です。道路沿いのクスノキは、小さい実をたくさんつけています。また、アカメガシワは花が大きくなって大変目立っています。更に先へ進み、坂を上りきると、阿保のバス停が右にあります。このバス停を過ぎると、緩やかな下り坂です。現在、歩いている道路は、阿高磯まで同じような道で、下り、上り坂の多い県道です。相変わらず、天気もすっきりしません。雨が降らないからまだいい方です。先週から、雨が多くなっているので、農作物にとっては、いい水分の補給になっているのでしょう。バス停を過ぎ、次の交差点は、「中種子町のふるさとの情景」で、野間「阿保」で紹介しています。そちらもご覧ください。どのような交差点か分かると思います。左右に水田が見えるまで、緩やかな下り坂です。

 やがて、水田が見えてきました。中種子市街地への交差点の少し手前の道沿いにホルトノキがあります。現在、たくさんの花を咲かせています。緑の葉が多い中、少し赤く変色した葉があるので、見た目が大変きれいな樹木なのです。好きな樹木の一つです。中種子市街地への交差点を過ぎると、阿高磯川に阿高磯橋が架かっています。この橋を少し過ぎた川沿いに、チョウジタデによく似た草花が群生して咲いています。四季折々の草花の6月で紹介しています。そちらもご覧ください。車窓からはなかなか気づかないこともありますが、実際歩いて見つかる草花も多いのです。

 現在、上り坂になっていますが、右に自販機があり、そこを過ぎると緩やかな左カーブの下り坂です。途中三叉路があり、左は美座の国道58号線に通じています。交差点を過ぎると上り坂で、三叉路があり、右へは阿高磯神社に通じています。そして、坂を上るきると、阿高磯の十字交差点です。部落の案内板などがあり、民家が分かるようになっています。そのまま先へ行くのですが、右へは阿高磯地区の長浜海岸にも通じる道になっています。もちろん、神社にも通じており、先ほどの三叉路に出てきます。

 交差点を過ぎ、しばらく行くと阿高磯のバス停が右にあり、道幅も二車線で広くなってきます。ここから緩やかな左カーブがず〜っと続いていきます。カーブの途中右に、海岸にでる道があります。海岸には、ハマゼリも自生しており、このホームページで、種子島の名物の項目で紹介しています。周辺の道路沿いには、イヌビワ、ホルトノキ、アカメガシワ、ヤマハゼ、エゴノキ、ネズミモチなどたくさんの樹木が自生しています。草花は、ムシトリナデシコの鮮やかなピンク色が、そして、ルドベキア、キンケイギクの黄色い鮮やかな花などが楽しませてくれます。そして、カーブの終わるところには、カワラナデシコのピンク色が目に入ってきます。やがて、下る途中からは遠くに、車えびの養殖場も見えてきます。更に進むと、ヒラメの養殖場跡地が右にあります。ここを過ぎると、直線道路が続いていきます。道沿いには、グンバイヒルガオの大群があります。しかし、雲行きが大変怪しくなってきました。

風力発電所の実験棟の建屋跡地 そのまま進むと、苦浜川に橋が架かっています。橋の上から海岸を眺めると、川沿いの砂山に古い建屋や木柱の電信柱が何本か立っているのが見えます。それは、風力発電所の実験棟の建屋跡地なのです。昔、車えび養殖場の提案で、大手建設会社と大手電気工事会社の風力発電の共同実験を行っていました。発電機の出力は20kVA(16kW)の小規模な設備でしたが、その当時風力なんて全然なかった時代で、先進な実験として注目していました。設備が完成し、いざ実験開始すると、すぐに台風の影響を受け、風車が破壊されるなど、それ以来何度か台風による被害を受けていきます。そのうち実験も終了せざるを得なくなっていき、現在に至っています。一時は、屋久津の風力発電として、注目を浴びていましたが、今はそれを知る人はあまりいないでしょう。一枚目の写真は、現在の様子です。中央やや左に建屋が見えています。

 しばらく行くと、左右に車えび養殖場への入口があります。周辺にはグンバイヒルガオが左右の道路沿いに、元気に地面を這っています。花が咲く頃になると、華麗な花を観察できます。直線道路も終わると、右ーカーブになっており、そこを過ぎると、海岸にも近くなり、また、道路も狭まっていきます。周辺は、長浜海岸の南側にあたります。道路沿いの砂地には、グンバイヒルガオ、ハイネズ、マルバニッケイ、ハマゴウ、低木のアキグミなどが自生しています。海岸で、遊んでいる親子連れもいます。時折、小雨もぱらつくようになってきて、道沿いの電柱の上からは、碍子付近の塩害によるリーク音が絶え間なく聞こえてきます。波の状態によっては、サーフィンを楽しめる海岸にもなっています。しかし、今日の波は、ほとんど波立っていません。べたなぎに近い状態です。

 直線道路も終わり、右カーブを過ぎると二車線道路です。そして、前方右に見える岩屋の上に、何か記念碑が建っています。記念碑に近づき、刻まれている文字を見てもほとんど判読できる状態ではありません。海岸に近いので、風化が激しく、「本・・・・・不明・・・・・・・ 巳六月二十一日 松??」などと刻まれているのですが、、意味がほとんど分かりません。海岸を見ると、大潮であちこち、磯遊びをしています。道路の反対側の湧き水が出ている場所には、ハンゲショウの白い葉が目に入ってきます。道路まで、その匂いがしてきます。しばらく進むと、岩岡小学校前の交差点が見えてきました。

 交差点付近には、お店や簡易郵便局、そして屋久津のバス停があります。バス停を過ぎると、右に屋久津漁港があります。少し行くと、民家のすぐそばに小さな川があり、気持ちいいせせらぎの音が聞こえてきます。漁港の防波堤を見ると、車から降りた釣り人が、潮の引いた防波堤の上へ足早に向かっています。そして、急な左カーブを過ぎると梶潟です。海岸では、磯遊びで何人か、岩の上や、海の中など探し回っています。道路は、緩やかな右カーブの上り坂になっており、左に梶潟神社入口があります。入口には鳥居、忠魂碑、大火百周年記念碑、石塔などがあります。上りきると梶潟川に橋が架かっており、ここから下り坂です。下る途中の左側には、ハンゲショウが群生しています。独特の臭いがしてきます。下り終わると左カーブで、道沿いには、ハマナタマメの花びらがたくさん見えています。カーブを過ぎると、左に小さな沢があり、せせらぎが聞こえてきます。ここを過ぎると、正面に終点である島間港が見えてきます。

貫門の碑 左の土手沿いには、フジウツギがたくさん自生しています。現在、紫色の花を咲かせているのでよく目に付くのです。しかし、フジウツギは毒を持っているので注意が必要です。花は大変きれいなんですが・・・。右カーブを曲がり終える付近に来ると、谷切川があります。この川が中種子町と南種子町との境界になっています。したがって、川を過ぎると南種子町の小平山です。なお、「ふるさとのせせらぎ」で谷切川のせせらぎを紹介しています。そちらもご覧くださいね。河口付近では、もちろん磯遊びの人がいます。ここを過ぎると、南種子町の文化財に指定されている「貫門」が右に見えてきます。その貫門の手前に、小さな沢があり、かなり大きなせせらぎを発しています。

 貫門を過ぎると、澱粉工場が右にあります。南種子町で唯一の工場です。ため池みたいになっているところが公害処理場で、建屋が連なっているところは、カライモをすり込んだり、澱粉を分離したり、澱粉を乾燥して製品にする場所です。澱粉を処理するには、多量の水が必要で、必ず澱粉工場は川沿いにあるのが一般的です。ここの澱粉工場は、近くに塚川があり、その豊富な水を利用しているのです。澱粉工場を過ぎると、島間港まで2キロもありません。道路沿いは、ヤブマオがたくさん群生しています。工場近くの県道沿いの草むらに隠れて、石塔が三つ、平べったい石碑などがあります。後でわかったことですが、墓石やエビス神などと地元では言われているとのことです。そして、塚川を過ぎると、工場のため池が右にありそのまま進むと、今度は小さな水田が海岸付近にあります。

石塔など 海岸では、磯遊びで石をひっくり返したり、ミナなどを獲っています。しばらく行くと、三叉路になっており、左は島間小学校へ通じています。学校はここから500mです。少し先にまた三叉路があり、大久保へ通じています。更に進むと左側に、宮松原神社があります。入口には、神社縁起や石碑などが建ててあります。神社を過ぎると、大塚山へ通じる道が左にあり、種子島で唯一地下水を汲み上げて販売している工場も途中にあります。ここを過ぎると、左に町営住宅があり、そこを過ぎると左に慰霊塔もあります。慰霊塔を過ぎると、南種子町自然の家への入口があり、先は三叉路になっており、左は南種子市街地へ通じています。緩やかな右カーブになっており、三叉路を過ぎると下り坂で、前方に島間橋が見えています。島間川は、「ふるさとの川」で紹介しています。そちらもご覧ください。

 橋付近を過ぎると、やや上り坂で左カーブになっています。カーブを通過すると左から、何か演歌の音楽が聞こえてきます。日本舞踊の道場があるのです。大きな鏡を前にして練習しているのが見えています。おそらく、六月灯で披露するのでしょうか。或いは恵比須祭りで披露するのでしょうか。勝手な推測をしてしまいます。島間港は右にあります。何だかんだといいながら、終点の南種子漁協はもうすぐです。最後は、伊能忠敬の測量記念碑を見ながら散策も終わりです。

※散策日:平成19年6月17日/10:02〜14:38/曇時々雨

納官小学校〜島間港の地図原之里」納官小学校前をスタート

JA種子屋久納官支所前交差点を右へ(岩岡・大牟礼)

次の交差点を右へ(岩岡・大牟礼)

大牟礼」交差点を右へ(県道588号線)

伊原

下田

阿保

阿高磯
↓←写真1枚目(苦浜川)
屋久津

梶潟

小平山」←写真2枚目
↓←写真3枚目
「島間港」南種子漁協終点